にじげん守口
週2回、一日4時間(午前・午後各2時間)作業に通っている女の話
今日は通所日である。
午後から雨の予報なため、バスに乗った。
車窓から見る景色は、新鮮だ。
町がこじんまり見える。
交差点を曲がる時、バスは大きく揺れて対向車は少しハンドルを切る。
譲り合いの精神はここにも現れているのだ。
感慨深く座席に身体を預けていると、バスは守口市駅西口に到着した。
にじげん守口は駅から徒歩1分もかからない。
バスも目の前に停まってくれるのでありがたい。

ビルの2階に上がり、扉の前で軽く深呼吸をする。
おはようございます。
心の中で唱える。
スタッフの皆さんが気付き、顔見知りになった通所者さんとも挨拶を交わした。
さて、ここからはいつもの通り。
ファイルに今日の体調や睡眠時間を記入する。
昼に無料で提供される弁当を食べる場合は、弁当を選ぶ。
私は牛焼肉弁当が好きだ。
一日の作業は、ホワイトボードに名前ごとに書いてあるのでわかりやすい。
今日は午前中にハンドメイド作成、午後はシール貼りであった。
利用者には、一日の通所時間のうち、半分を学習(にじげん守口ではデジタルイラストを学習する人が多い)の時間に割り当てていることが多いが、私は一日作業だけをして帰る。
今日のハンドメイド作成は、モールフラワーを作る作業だった。
同卓の利用者4人にスタッフ1人、ゆっくりと時間をかけて教えてもらう。
初めて作るチューリップは我ながらかわいくできた。
嬉しくなって、スタッフのみやさんに見せに席を立った。

みやさんに「みやさん」と話しかけると、 いつも手を止めてしっかり話を聴いてくれる。
おざなりではない。
阿川佐和子の聞く力ではないが、聞く人の態度がしっかりと伝わってくるので、こちらもいちいち話かけに行ってしまう。
昼休憩は、各自割り当てられた席で弁当を食べる。
もちろん、外に1人で食べに行ってもいい。
私も最初、そうしていた。
なぜなら、食べる姿を人に見られたくなかったし、昼ぐらいは1人の時間が欲しかった。
けれども慣れていくうちに、そこまでする必要性を感じなくなった。
午後も2時間、作業をして、ファイルに今日の作業の感想を簡単に書き、作業所を後にする。
大きな声で「お疲れさまでした!」と言う人、顔見知りにだけお疲れさまでしたと言う人、静かに帰っていく人、それぞれだ。
にじげん守口に通い始めて、はや半年が経つ。
はじめは週1日、午前2時間だけの利用でも体調不良で休みがちだったものの、今では安定して通所できるようになり、週2日、1日4時間作業ができるようになった。
扉を開ける瞬間は少し緊張するものの、入ればそこはいつものにじげん守口。
良い意味で各人、マイペースにそこで生きている。
それだからこそ、私には通いやすいのだと思う。
これからもゆっくりと、行けるときに通所し、無理はせず、休むときは休む。
人には人の乳酸菌である。