にじげん西宮夙川
【西宮市の就労継続支援B型】利用者さんのおすすめ小説『青のアウトライン』|才能と努力を描いた一冊
こんにちは。利用者のでかいぬです。
今回は趣向を変えて、小説の紹介をしていこうと思います。
タイトルは、「青のアウトライン」と言います。発売は2022年と、少しばかり古いかもしれませんが僕が今まで読んできた数多くの小説の中で最も心を打たれた作品の一つです。
では、どのようにして僕が心を打たれたのか。それはこの作品のメッセージ性とキャラクター達が織りなす人間ドラマにあります。
この作品は天才という大きな壁を凡人の努力がどのようにして乗り越えて行くのか。また、どうやったらその領域に辿り着けるのか。それをテーマに描いた物語となっています。
作中では2人の幼馴染が絵画に情熱を燃やし、絵筆を手に取ります。かたや天才。かたや努力家。
幼馴染の彼女が描く絵に齎される感想は、主人公にとって喉から手が出るほど欲しいものだった。見る者を魅了する、クリエイターならば一度はそんな作品を手掛けてみたいものです。
けれど柏崎侑里はそれを幼いながらに完成させて、その感想を手にしてしまっていた。
「才能だけを言い訳にしない」そう誓って、主人公の小宮宗佑は絵筆を握り続けます。
僕が本気で心を打たれたのは柏崎侑里ではなく、宗佑の覚悟と行動力にあります。
才能がないからと諦めない。それが側にいるからと言い訳にしない。その信念と直向きさこそが、心を打たれた一因であり純粋に「かっこいいな」と思った要因でもあります。
世の中には凡人側の人間の方が圧倒的に多いと思います。いや、言い方を変えましょう。目指したい場所があってもそこへ至る才覚を持ち合わせている人間は限られている。でも、だからと言って人が夢を諦める理由にはならない。
さて、ここで一つ訊きたいのですが今これを読んでいるあなたは目指したい夢があって、そこに隣で圧倒的な才能が現れた時、諦めずに努力を続けることはできますか?
おそらく、半分の人は「覚悟を持っているから可能」そしてもう半分の人は「ちょっと無理かもしれない」と答えるのだろうと思います。
僕もかつては後者の人間でした。才能があるのなら仕方ない。努力で才能に勝るわけがない。事実として、努力だけで越えられない壁が存在しているのかもしれません。
けれどこの作品はその可能性を示唆してくれました。
物語の終盤、柏崎侑里が常人離れした集中力で絵を完成まで導くワンシーンがあります。ただ文章を読んでいるだけなのに、背筋が凍るような圧倒的な差と才能。それを感じているのは宗佑のはずなのに、読んでいるこちらにまで伝播してきます。
そこで宗佑は「まだまだ、敵わねーなぁ」と口にします。でもそれは越えられない壁としての台詞ではなく、追いつきたい天才にかける言葉。諦めの悪い自分へ向けた言葉でもありました。
確かにその後のコンクールで、侑里は安定通り結果を出したが宗佑にも収穫はあった。努力家だろうと才能がなかろうと、喰らいつく覚悟があればどんな才能にでも勝る力を手に入れられる可能性がある。
そんな希望を与えてくれる一冊でした。
もし今やりたい事があるけれど、才能がないからと諦めている人ややりたいことがなくて悩んでいる人。ぜひ一度読んでみてください。
勇気をもらえることはもちろん、凡夫でも着実に進めるのだと教えてくれる。そんな作品です
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